情報番組「はなまるマーケット」(TBS系)やホームドラマ「天までとどけ」(同)などで活躍したタレント・女優の岡江久美子さん(63)が4月23日、新型コロナウイルス肺炎のため東京都内の病院で亡くなった。
岡江さんは「週刊朝日」2007年8月3日号で作家・林真理子さんの本誌対談連載にゲストとして登場した際には、おおらかで明るい性格がよくわかるエピソードや、夫や娘との幸せな家庭生活について語っていた。以下、対談の一部を抜粋しつつ、当時を振り返る。
最初の話題は、この当時、放送開始から11年目に入っていた「はなまるマーケット」について。日々、様々なゲストとやりとりすることについて話すうちに、林さんが「そういえば、岡江さん、人の話を聞くの苦手ってほんとですか」と率直な質問をぶつけると、岡江さんはこう答えていた。
「そう。自分でしゃべりたいタイプだから(笑)。興味があると聞けるんですけど、興味がなかったりするとダメ。ゲストの方も、話をするのがお得意だったりするとは限らないから、そういうときは私がその分しゃべったりしてますね」
ともに番組の司会を務める薬丸裕英さんとの“名コンビ”ぶりを聞かれると、こんな答えが。
「私がおじさんみたいなおばさんで、ヤッくんがおばさんみたいなおじさんなんですよ(笑)。薬丸君のほうがきめ細かい。楽屋に健康にいいといわれてるものを並べてるし、朝来ると台本をきちんと読んでおいてくれるんで、すごく助かってます」
対談では、「おしどり夫婦」として知られた夫、大和田獏さんとの関係について話が及んだ。林さんが「ご夫婦の危機もないし、お嬢さんも美しく聡明で、こんなに幸福でいいのかしらっていう感じじゃありません?」と話を向けると、岡江さんは、夫婦の幸せについて、こう語っていた。
「いつかドカンとくるんじゃないですか。でも、高望みしてるわけじゃなくて、ふつうの幸せだから。夫に『今までもらった誕生日プレゼントでいちばんうれしかったのは鯨のベーコンだ』って言われたの。私たちはそういう幸せ。このままでずっといきたいですね」