日野原重明さん/聖路加国際病院理事長 名誉院長 (撮影・小暮誠)
日野原重明さん/聖路加国際病院理事長 名誉院長 (撮影・小暮誠)
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林真理子さん
林真理子さん

 今年連載25周年を迎える作家・林真理子さんの「マリコのゲストコレクション」。こんなときだからこそ、歴代ゲストの「ポジティブワード」を読んでパワーを充電し、コロナ禍を乗り切りましょう。今回は2002年4月12日号から、聖路加国際病院理事長名誉院長の日野原重明さんです。

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 患者の治療に教育、そして音楽に舞台……多忙を極める90歳でいらした日野原重明さんにもご登場いただきました。分刻みのスケジュールの中、元気いっぱいで口調もハキハキ。「昔とまったく同じように行動している」という日野原さんの健康の秘訣に、マリコさんも興味津々で──。

日野原:先ほどまで津田塾大学で講演していました。大学から車で出たのだけど、道が込んだから、JRの中央線に乗り換えて東京駅まで来て、八重洲口を走って……。

林:まあ、お忙しいところを申し訳ありません。でも、人気アイドル並みのお忙しさですね。

日野原:習慣ね。若い人のできることは何でもやろう、と。

(中略)

林:先生は、お医者さんにならなかったら、作曲家になりたかったそうですね。

日野原:音楽も好きだし、劇も好きだったからね。今ごろになって子供のころの「アンテナ」が開いて、気持ちいいね。

林:以前、お目にかかったときも、「これからコーラスの指揮をしなければいけないから忙しい」とおっしゃってましたよね。

日野原:そう。来年、ミュージカルを一つやるんだけど、シナリオはだいたいできていて、主題歌だけは僕がつくることになってます。

林:先生が脚本をお書きになった「葉っぱのフレディ」は……。

日野原:あれもミュージカル。88歳のときに初めて童話の脚色をしました。今度は「ラブ・ユー・フォーエバー」という親子の愛情の話を、1時間半ぐらいのミュージカルにしました。でも、新しい感覚でつくらないとね。古い子守歌みたいなわけにいかないから、「千と千尋の神隠し」のメロディーを聴いたりして……。

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