売り場に並ぶヨーグルトがうたう様々な機能や効果。何が違うの? どれを買えばいいの? どう食べればより効果的なのか? そんな疑問にAERA 2020年5月18日号では専門家がズバリ答えます。
【どれを買えばいい? ヨーグルトの乳酸菌13種類の働きを専門家が解説!】
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私たちの体をウイルスから防御してくれる免疫。免疫が十分に働くためにはバランスよく栄養を摂取し、多様な腸内環境を維持することが大事だ。
バランスよくはわかるけど、目下の敵は新型コロナウイルス。それだけじゃ不安。もっと腸にいいことがしたい。そうだ、腸と言えばヨーグルトだ!
乳酸菌が腸にいいのはもはや常識。しかも、スーパーやコンビニで販売されているヨーグルトには、もっと効果がありそうな特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品と明示されたヨーグルトも多く並んでいる。
「新型コロナウイルスの感染が拡大した2月以降、ヨーグルトの販売は数量・金額ともに大きく伸びています」
そう語るのは日本食糧新聞で乳製品業界をウォッチしている小澤弘教さんだ。
「2月は金額ベースで前年比7.8%増、3月は9.4%増というPOSデータ(実売情報)もあり、機能性ヨーグルトの需要が増えた影響もありそうです。数量ベースでも4%近く伸びています」
東京都が外出自粛要請を出した3月25日以降は一時、ヨーグルトが品薄になった。しかし学校給食の取りやめで需要が落ち込んでいることもあり、4月21日には農林水産省が「牛乳やヨーグルトを普段より一つ多めに買ってほしい」という異例の呼びかけを行った。
店頭では、どんなヨーグルトが売れているのだろうか。
「メーカー別では明治が売上高シェア4割を握ります。定番人気と言えるのはプロビオヨーグルト『R‐1』のドリンクタイプなど。特に売り上げが伸びてきているのは森永乳業の『トリプルヨーグルト』です。高血圧、血糖値、中性脂肪を抑えるという3種類の機能性表示が消費者の心をつかんだようです」
トクホは健康増進の効果や安全性について国が審査し、消費者庁に許可されたもの。ハードルはなかなか高い。一方、機能性表示食品は企業が科学的根拠に基づいた機能性を消費者庁に届け出さえすればいい。