所得税からとるのではなく、国債発行だけで済ませる。さらに社会保険料を免除するなどの手当てを、と西原さんは語る。お金を国民に「給付」するのではなく「一時的に保険料や年金料を取らない」のであれば、混乱せず時間もかからない。

 安倍首相が返り咲いたのは12年12月。14年12月には消費税率引き上げを延期した直後の解散・総選挙で勝利し、16年6月には税率引き上げを再び先送りしたが、結局19年10月に10%へ引き上げている。

 コロナ対策予算は総じて小振り。消費増税によりデフレ脱却も実現できないまま緊縮財政を続けてきた安倍政権の弱点が、あぶり出された格好だ。(ジャーナリスト・大場宏明、編集部・中島晶子)

AERA 2020年6月1日号より抜粋

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