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「歯周病」という病名は広く一般の方々に認知されるようになりましたが、他人事と思っている人は少なくないのではないでしょうか。しかし、歯周病は痛みなどの症状がなく気づかないままに進行して、ある日突然、歯が抜けてしまう病気です。日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会による、国民に歯周病について正しい情報を伝える公式本『続・日本人はこうして歯を失っていく』から一部を抜粋して紹介します。

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 8020推進財団調査(2018年)によれば、歯を失う原因の第一位は歯周病で全体の約4割、むし歯は第二位で約3割です。50代くらいから徐々に歯を失い、部分入れ歯やインプラントを入れる人が増えてきます。

 進行した歯周病で来院される患者さんはそれまで長い間、歯科医院から遠ざかっていた人も多く、「歯を残せない」ことを知ると、「えっ、まさか?」とショックを受けます。歯の代わりとして使用する入れ歯についても抵抗を感じる人は少なくありません。

 歯周病で歯を失う人が多い原因の一つは、ある程度進んだ段階まで重篤な症状に気づかなかったり、気づいたとしても深刻な状態であると考えないからです。歯周病が別名「サイレント・ディジーズ(静かに進行する病気)」といわれるゆえんです。

 むし歯と違い、痛みがほとんどないだけでなく、歯周組織の内側は目に見えないので、病気が進行していることに気づきにくいのです。中等度の病変になると歯槽骨が吸収するために歯を支えきれなくなって、歯が動くようになるのですが、それでも放置してしまうケースは決して珍しくありません。

 歯周病の進行は、細菌を抑えるからだの抵抗力や生活習慣に左右されるため、進行の度合いには個人差があります。体調が悪化すると症状が出るけれど、しばらくすると落ち着いてしまう、ということを繰り返すパターンも少なくありません。むし歯のように強い痛みが出ないことも多いので、「治ってきた」と勘違いをしてしまうのです。

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