特にピッチャーが打席に立つセ・リーグは、どうしてもピッチャーが交代するケースが多くなるので、中継ぎの充実が鍵になってきます。DH制のパ・リーグは、リリーフに関しては基本的に7、8、9回を考えておけばいいので、先発がきっちり長いイニングを投げることが重要となります。「ピッチャーの頭数」だけでいえば、やはり巨人ソフトバンクなど、巨大な戦力を持っているチームが多少有利かもしれませんね。

――開幕まで、残り3週間弱しかありません。各選手は、新型コロナウイルスの影響で満足な調整ができていないのでは?

 3週間というのは決して長いわけではないですが、調整できる可能の範囲内だと僕は思います。

 自粛生活が長く続きましたが、今の選手は、限られた空間の中でできるトレーニングのいろんな知識を持っているので、身体が鈍っているっていうことはないでしょう。身体のキレということよりも「チームとしての動き」と「戦うという意識の“スイッチ”」のほうが重要かもしれませんね。

 開幕までに練習試合が10試合程度はあるとも聞いていますので、徐々に感覚は戻ってくるでしょうが「急ピッチで仕上げていく」という感覚はどうしてもある。これは、例年とは違いますので、自粛生活中に、各選手がどんな時間を過ごしてきたのかっていうのは非常に大きいでしょうね。

 ただ、チームによって、自粛生活中は何もするなと選手に指示しているケースもあるかもしれません。もし、ここから慌てて身体を動かしているような選手がいたとするならば、ケガのリスクは高いので十分に注意が必要です。

 調整に関しても、おそらくほとんどの選手が、例年の開幕3週間前に行っていたトレーニングをベースにして練習メニューを組み立てるはずです。急に開幕が決まったからといって、これまでと違う調整法を取り入れるってことは、まずしないでしょうね。例年と同じ調整をすることで、自分が今どんな状態になのかっていうのが比較しやすくなりますから。

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