AERA 2020年6月8日号より
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 間もなく選挙戦が始まる東京都知事選はいまだ構図が定まらないまま。安倍首相の失政をてこに支持を高める小池氏が軸になるが、台風の目は現れるか。AERA 2020年6月8日号の記事を紹介する。

【過去に出馬した著名人らはこちら】

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 東京都知事選挙は今月18日に告示、7月5日に投開票される。間もなく火蓋が切られようという段階で、小池百合子氏(67)をはじめ有力候補と目される人物の多くが旗色を鮮明にしていない。果たしてどんな候補が「首都の顔」を目指すのか。

 まず動いたのは弁護士で元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)。ツイッターで5月25日に出馬を表明した。同氏は2012年と14年の都知事選で次点となり、16年の前回も出馬表明していたが、野党4党がジャーナリストの鳥越俊太郎氏を統一候補にしたため撤回した経緯がある。

 目玉候補となる可能性があるのが、ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏(47)だ。5月30日発売の新著『東京改造計画』でコロナウイルス対策など37項目の提言を発表。動画配信サイトで「ネット投票が導入されるなら出馬したい」とアピールしたが、動向はまだ流動的だ。

 日本の人口の約1割が集中する東京の知事選では、得票数が200万を超えても勝てない場合がある。浮動票を集めるためには知名度は欠かせないアイテムであり、「平成」以降の候補者には著名人が目白押しだ。

 4期目を目指した鈴木俊一氏の高齢(当時80歳)と多選の是非が問われた1991年は自民党本部が元NHKニュースキャスターの磯村尚徳氏を擁立したが、鈴木氏の壁に阻まれた。参院議員だったアントニオ猪木氏も出馬表明したものの、告示直前に撤回した。

 95年には七つの内閣で官房副長官を務めた超大物官僚の石原信雄氏が鈴木氏の禅譲を受けて立候補したが、マルチタレントで参院議員だった青島幸男氏に敗れた。外資系証券会社幹部から島根県出雲市長を務めた岩國哲人氏や経営コンサルタントの大前研一氏、衆参議員7期を歴任した上田哲氏ら有力候補を蹴散らした青島氏だったが、就任後は目立った指導力を発揮できず1期で退任した。

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