こうした中、改めて注目を集めるのが地方の国公立大だ。コロナの脅威が少なく、対面の授業を一部再開する大学も出ている。公務員や地元有名企業への就職にも強く、安心材料が多い。

 国公立大に強い高校はどこか見てみよう。

 合格者数では本(熊本)が351人で全国最多。熊本大、九州大、鹿児島大など地元九州で合格者を多数出している。そのほかには金沢泉丘(石川)347人、膳所(滋賀)341人、筑紫丘(福岡)335人と続いた。いずれも公立高だ。

 合格率(合格者数/卒業生数)でも公立高が上位を占めており、トップ10には札幌北(北海道)97.8%、姫路西(兵庫)96.4%、堀川(京都)96.3%など公立高が6校入った。大学通信の安田賢治常務はこう見る。

「私立の中高一貫校に注目が集まっているが、元来、国公立大に強いのは公立高。地元の国公立大に満遍なく合格している高校も多い。新型コロナの影響で地元志向が強まる中、公立高の人気も高まりそうです」

 改めて地元の大学や高校に注目してみてほしい。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2020年6月12日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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