うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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久しぶりに通った道で、私の好きだったネパールカレー屋さんが、いつのまにか閉店になっているのを見つけてショックを受けました。
新型コロナウイルスは飛沫によって感染しやすいため、口を開けて食べたり話をしたりする場所である飲食店は、ほぼ休業状態を強いられました。政府が緊急事態宣言を解除したことにより、張りつめていた街中の空気が、少しだけ緩んだように思います。
しかし、感染に気をつけていく生活は今後もしばらく続くでしょう。経営面で大打撃をくらった飲食業界が、かつてのような状態まで戻るには、まだまだ時間がかかるのではないでしょうか。
■テイクアウトを独自に工夫する飲食店
収入を少しでもプラスに向けていくため、多くの店がテイクアウトをできるようにするという工夫を始めるようになりました。好きなお店が閉店してしまうのを防ぎたいという気持ちは、周りの住人も同じです。
応援するように、雑貨屋や塾などさまざまな場所でテイクアウトメニューが載ったチラシを見かけるようになり、どの店でどんなテイクアウトをしているのか紹介するアプリも、地方バージョンが新しく開発されていました。テイクアウトは、子どもの休校で給食がなくなり、ご飯の支度が大変だったお母さんたちの需要にもマッチした仕組みだったと思います。
チラシをみると、店によってテイクアウトの形式はそれぞれで、普段から店に出しているメニューをそのままパックに入れて持ち帰るところもあれば、お弁当のような形に変えて別メニューのように作っていたお店もありました。
ただ、普段店でそのまま出しているメニュー、たとえばパスタをテイクアウトして家のお皿に移すと、「あれ? これだけの量であの値段だと、ちょっと高くない?」と感じることはありませんでしたか? 特にカフェでは、レストランよりもその感覚が顕著に表れるのではないかと思います。
私の家から車で10分くらいのところに、店内の装飾がびっくりするほどハイセンスなカフェがあります。有名なブランドの紅茶が何種類もあり、お茶の入れ方にくわしい店長がアンティーク調のカップにていねいに注いでくれて、700円というお値段です。
ここもテイクアウトを始めていたので、試しに買ってみることにしました。液体を運ぶためには仕方がないことですが、紅茶を持ち帰るとなると、スタバやドトールのような紙コップに入れられることになります。まずそこで、少し味気なさを感じました。そして家に帰り、紙コップからティーカップに移して紅茶を飲むと……やはり味はおいしいとは思いつつも、「これだけで700円かぁ……」と、どこか物足りない気持ちが湧いてきたのは否めませんでした。