日常生活で高齢者が転倒するケースは後を絶たない。※写真はイメージです (GettyImages)
日常生活で高齢者が転倒するケースは後を絶たない。※写真はイメージです (GettyImages)
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めまいリハビリ (イラスト/宮崎健 週刊朝日2020年6月19日号より)
めまいリハビリ (イラスト/宮崎健 週刊朝日2020年6月19日号より)

 転倒して運悪く亡くなる人が、高齢者を中心に増えている。統計上だけでも年間1万人近く。交通事故死の2倍以上になる。筋力の衰えも要因とされるが、一方で平衡感覚を強化すれば転倒を防げることがあるという。そのために、小脳を鍛えることが重要だとわかってきた。「小脳トレーニング」とはどんなものなのだろうか。

【写真】医師がすすめる「めまいリハビリ」

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 80代の男性はトイレに行く際に廊下の段差で転倒し、鼻の骨を折ってしまった。病院で「くも膜下出血」と診断されて入院。別の80代の男性は、パンを食べようとした際にトースターのコードに引っかかって転び、台所で額を打って出血し、病院へ搬送された。後を絶たない高齢者の日常生活での転倒事故に対し、国民生活センターも注意を呼びかけている。

 人は2本足で直立歩行するため、体のバランスをとる平衡機能が大切な働きをしている。ところが高齢になると、ふらつきやすく、転びやすい。消費者庁は高齢者の事故のうち、転倒・転落によるものは死亡者数、救急搬送者数ともに多く、毎年継続的に発生していると指摘する。

 東京消防庁管内での高齢者の転倒・転落事故による救急搬送者数を年代別に人口10万人当たりで見ると、65~69歳から年代が上がるにつれて搬送者数が増え、「中等症」以上の割合も増えて程度も重くなりやすい傾向があるという。医療機関ネットワークに高齢者の事故情報が2010年12月から18年8月末までに3964件寄せられ、うち転倒・転落事故が1766件と最も多くなっている。

 例えば、18年5月には60代の女性が自宅で孫をお風呂に入れていた際に転倒し、プラスチック製の椅子で腹部を打撲。様子を見ていたが7~8時間後、不穏な様子になって救急要請したが死亡したという。

 転倒・転落事故は高齢者の日常生活で発生しており、死亡することがあるだけでなく、骨折など重症になり、介護が必要になることもあるため、消費者庁は注意を喚起している。

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