PTA活動はなぜ強制参加? 非効率すぎ、変えられない・変わらない……そんなPTA問題の核心をズバリ表現する「2コマでPTAを叫ぶ母」さんのマンガを題材に、PTA問題に詳しいライター大塚玲子が解説します。第5回は「PTA活動のポイント」について。
3月からの長いコロナ休校を経て、ようやく学校が再開しました。家庭でこなすよう求められる多くの課題に疲れ、「やれやれ、やっと始まったよ」とほっとしている親も多いでしょう。
このイレギュラーな状況に対応するため、学校ではさまざまな課題がもちあがっていますが、PTAも例外ではありません。3密を避けるため、例年通りの活動をとりやめにするPTAが増えているのですが、するとこんな声も聞こえてくるようになりました。
「1学期中のPTA活動が中止になっても、今年の活動分として、ちゃんとポイントはもらえるんでしょうか?」
ある小学校のPTA役員が、一般会員の保護者から受けた質問だそうです。これを聞いた他校のPTA会長は、「学校遠足のときに『バナナはおやつに入るんですか?』と質問する子どもを思い出してしまった」とのこと。
たしかに一見似たようなもの……。なかなかに不毛な問いです。
そもそもPTA活動は、「やったらやったでいいけれど、やらなくても特に問題はないもの」のはず。もし「絶対誰かがやらないと困る」という活動があるなら、それは公的な予算をつけて行う必要があります。
ましてや、この春は学校自体休みだったのですから、PTAが活動を休んでも特に問題はないはずで、それに対して「私がPTA活動をしたことになるんですかならないんですかどうなんですか」という問いを発するのは、非常になんというか場違いな気はするのですが……。
しかし、現場に置かれた母親たちにとってはそうではないのです。「PTA活動にどんな意味があるか」なんて、実のところどうでもいい。
「今年度、私が活動したとみなされるかどうか」のほうが、よっぽど大きなことなのです。