コロナ禍のなか、ドラマ視聴で心をときめかせる人も多いだろう。日韓話題の2作を見た。そこから見えるのは日韓の恋愛観や男女観の違い。コラムニストが独自の視点で解剖したAERA2020年6月29日号の記事を紹介する。
【イラスト】「愛の不時着」3話まで見ての”キュン死”ベスト3を描いてみた!
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ヒョンビン沼から、東京の愛を眺めてみよう。突然だが、そう思った。
「東京ラブストーリー」のことだ。4月29日からアマゾン・プライム・ビデオで配信が始まり、6月3日で全11話がそろった。「愛の不時着」で俳優ヒョンビン(37)にはまり、アマゾンプライムをたびたび訪問するようになって発見した。
日本の恋愛ドラマで切ない気持ちになったのは、一体いつが最後だろう。恋するお年頃じゃあないしなあ。そう思っていたのだが、ヒョンビンは私を切なくさせる。「大人の恋愛」に心がもっていかれる。東京の今の愛を描いた「東京ラブストーリー」なら、今の私なら、切なくなるかも。見てみることにした。
今の私、と書いたのは、新型コロナウイルスと大いに関係がある。フリーランスゆえに不安が募っている。国はあてにならない。現実逃避が必要だ。「愛の不時着」もそのつもりで見始め、やめられなくなった。北朝鮮の大尉リ・ジョンヒョクが韓国財閥の娘ユン・セリを愛し、守る。ヒョンビンとソン・イェジン(38)演じる2人にしびれた。コロナの時代だからこそ、愛って大切と思う。以来、愛を求める度合いが減ることはない。
そんなこんなで、ヒョンビン沼にはまっている。アマゾンプライムとネットフリックスで「ヒョンビン」と検索、作品を追いかけることが、マイ「新しい生活様式」だ。
「私の名前はキム・サムスン」(2005年)→「アルハンブラ宮殿の思い出」(18年)→「シークレット・ガーデン」(10年)。途中で映画「ザ・ネゴシエーション」(18年)をシネコンで見た。昨夏に日本で封切られた旧作だが、TOHOシネマズ日比谷が6月5日の営業再開後すぐにかけてくれた。公開延期で新作が足りないという事情があるのだろうが、「東宝さん、ありがとう」と心でつぶやく。