コロナ禍で止まっていたテレビドラマの放送が再開しつつある。「半沢直樹」や「ハケンの品格」などのヒット作の新シリーズも目白押しだ。
収録現場での感染拡大リスクを避けるため、テレビ各局では4月開始の春ドラマが次々と途中休止や初回延期に追い込まれていた。緊急事態宣言の解除を受け、ようやく再スタートを切る作品が出てきた。
滑り出しは好調だ。6月18日に2カ月遅れの初回放送を迎えた木村拓哉主演の「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)は番組平均世帯視聴率17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)で、2018年の前シリーズの初回15.7%を上回った。篠原涼子主演の「ハケンの品格」(17日初回放送、日本テレビ系)も14.2%と2桁を記録。元毎日放送プロデューサーで同志社女子大メディア創造学科の影山貴彦教授が語る。
「この2カ月は過去作品の再放送ばかりで、新作ドラマへの飢餓感が高まっていたタイミングでもありましたし、演者や制作側の、限られた環境の中で良い作品を作ろうという気迫も合わさって、良い結果に結びついたのではないでしょうか」
再開間近のドラマにも楽しみな作品が多い。7年前に平成ドラマ視聴率1位(最終回42.2%)を記録した「半沢直樹」(TBS系)の新作は7月19日に放送時間を25分拡大して満を持して初回放送を迎える。
「視聴者をお待たせした分、たっぷり初回で見どころをご覧頂きたく、放送時間を拡大しました」(同局宣伝部)
2話で休止していた織田裕二主演の「SUITS/スーツ2」(フジテレビ系)は「6月上旬に収録を再開し、放送は近日を予定しています。話数やシナリオの変更はありません」(同局広報宣伝室)と、こちらも明るい兆しが見えている。
6月27日をもって放送を休止したNHK連続テレビ小説「エール」は、6月16日に収録を再開。6月7日を最後に休止中の大河ドラマ「麒麟がくる」も、30日には収録再開を見込んでいる。ただ、両作とも放送再開日は未定だ。
「再開しても感染予防対策を講じながらの収録になるので、今までと同じペースでは進んでいかないかと思います」(NHK広報局)
(本誌・岩下明日香)
※週刊朝日 2020年7月10日号より抜粋