また4年後となれば、国内選手のメンバーも今とは様変わりしているだろう。注目されるのはガード陣だ。現在の日本代表の司令塔・富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)は2024年に31歳となっている。現時点ではその座に留まることも想定されるが、このポジションには河村勇輝(東海大学)とのテーブス海(宇都宮ブレックス)が控えている。

 パリ五輪時点の河村は大学を卒業し、Bリーグでプレーするか海外に飛び出すかというところ。福岡第一高等学校時代や、特別指定選手として加入した今年の三遠ネオフェニックスでのプレーなど、既に代表クラスの実力を見せているが、順調に行けば今の富樫を越える存在になっていてもおかしくはない。

 テーブスは、ノースカロライナ大学ウィルミントン校で1年間プレーした後に、Bリーグでのプレーを決断しブレックスに入団した。その一番の目的はA代表に入ること。グローバルで見れば188cmという身長はポイントガードとしても決して高くはないが、富樫、河村がともに身長170cm前後であることを考えれば、テーブスの188cmという高さは願ってもないことだ。年齢も25歳となりプロとしての経験も十分に積んだ時期となっているだけに、日本代表にとってはかなりの戦力となるだろう。

 また、ガードでは田中力、富永啓生という米国でスキルアップを目指している将来を嘱望されたプレーヤーもいる。次回五輪時点で田中は22歳で富永は23歳。代表というとどうしても八村や渡邊に目線は集中するが、4年後の日本代表は、現代表の田中大貴(アルバルク東京)や比江島慎(宇都宮)らとの争いも含め、バックコートの層がかなり厚いといえそうだ。

 そして4年後の日本代表が飛躍する上で忘れてはならないのが帰化枠だ。国際バスケットボール連盟(FIBA)の規定でメンバーに入れる帰化選手は一人だけ。2018年にファジーカスが帰化してからは彼の「指定席」だったが、ライアン・ロシター(宇都宮)、ギャビン・エドワーズ(千葉)が続けて帰化したことで、この枠の争いが熾烈なものになった。

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