「その代表が、茨城県南部や千葉県沖を震源に起きている地震です。ここではフィリピン海プレートが北米プレートの下に潜り込み、プレートの境界で地震が起きています」
例えば茨城県。11年からの9年半で6614回の地震が起きている。さらに茨城は、今年になっての揺れは104回と多く、千葉県も81回と続いている。
首都直下地震の可能性
高橋特任教授が注目するのが、南関東沖からフィリピンまで続くフィリピン海プレートだ。6月上旬、神奈川県の三浦半島で「焦げ臭い」と言われた謎の異臭騒ぎが起きた。高橋特任教授によれば、活断層が動く時も同様の臭いがするという。さらに6月16日、千葉県南部を震源とするM4.2の地震、そして同25日未明には千葉県東方沖地震が起きた。震源地は千葉県東方沖でM6.2、千葉県で震度5弱を、関東の広い範囲で震度3の揺れを観測した。
これらはいずれも、フィリピン海プレートが北米プレートの下に潜り込む地点にある「相模トラフ」でのプレート活動が活発化している兆候だという。
「相模トラフは北米プレートの下にフィリピン海プレートが潜り込む形で摩擦により固着していますが、固着域が剥がれ北米プレートが跳ね上がることで、過去から繰り返し大地震を引き起こしてきました。1923年の関東大震災を引き起こしたのも、相模トラフを震源とする海溝型地震。東京湾の揺れから続く一連の地震から、相模トラフを震源とする首都直下地震は近々起こる状況証拠が揃いつつあると考えています」(高橋特任教授)
(編集部・野村昌二)
※AERA 2020年7月13日号より抜粋