
新型コロナウイルス拡大の影響で延期されたものの、先月19日に3カ月遅れで開幕した日本のプロ野球。今月10日からは有観客の開催も始まり、徐々にではあるが野球が本格的に戻って来た感もある。
海の向こうアメリカも、実施する試合数や今季支払われる年俸について、選手会とMLB機構の折り合いがつかず話し合いが難航したが、ようやく現地時間7月23日にシーズンがスタートすることが決まった。※以下、日付は全て現地時間
だが、アメリカの新型コロナウイルスの感染状況は悪化の一途をたどっており、16日時点で世界最多となる350万人以上の感染者が確認されている。現在カブスでプレーするダルビッシュ有も、コロナ禍が広がる中での開催に懸念を示したとおり、万全な状態での開幕とは程遠い状況にあるのが現状だ。
日本でもシーズン前に、阪神の藤浪晋太郎や巨人の坂本勇人らがコロナウイルスに感染したが、アメリカでは選手が多いとはいえ、感染した選手の数は日本とは比べものにならない。10日時点に確認されただけで、その数は71人に上るとMLBは発表している。
その中には、2017年にナ・リーグの首位打者となったチャーリー・ブラックモン外野手(ロッキーズ)や、球宴に4度選出のフレディ・フリーマン一塁手(ブレーブス)など各チームの主力も含まれる。11日には名門ヤンキースの守護神を務めるアロルディス・チャップマン投手、14日には日本人プレイヤーの平野佳寿投手(マリナーズ)の陽性も報じられ、開幕が近づいている一方で、「本当に始めていいのか?」と不安が高まっているのは否定できない。
事実、ウイルスが蔓延する中でのプレーに難色を示し、今シーズンは試合に出場しないことを決めた選手は多い。これまでに、マリナーズ時代にイチローとプレーしたことで日本でも有名なフェリックス・ヘルナンデス投手(ブレーブス)、サイ・ヤング賞の受賞歴もある左腕デービッド・プライス投手(ドジャース)、2012年にナ・リーグのMVPに輝いたバスター・ポージー捕手(ジャイアンツ)などが今季は出場しないことを発表している。