音楽評論家の山崎智之さんは、2人のキャリアのスタート地点にも注目する。
「松本孝弘がスタジオミュージシャンとしてキャリアをスタートさせたのと、氷室京介がBOOWY(当時は“暴威”)を結成したのがともに1981年。以来、日本のロック界を代表してきた2人ですが、共に大物ゆえか、共演する機会は少なかったようです。しかし、氷室が自身の2010年のソロ作『“B”ORDERLESS』に参加したギタリストを松本に紹介し、そのギタリストがB’zの作品やツアーにセカンドギタリストとして参加するようになるなど、音楽的な接点はありました」(山崎さん)
山崎さんは、アルバムタイトルにも注目する。
「『Bluesman』はロック、ウェスタン、和テイストなど、さまざまなアプローチでブルースを表現する作品とのこと。アメリカ黒人の伝統的なブルースとは一線を画したエモーショナルな“憂歌”としてのブルースという点で音楽的に共鳴した部分があったのではないか。どんな独自のスタイルが表現されるのか、楽しみにしたいです」
新たな世界の解禁を待ちたい。(本誌・太田サトル)
※週刊朝日 2020年7月31日号