それらをいきなり全部実践するのではなく、できそうなものから試していき、少しずつやせやすい環境に変えていく。もし「自分に合わない」と思ったり、結果が表れにくいと感じたりしたら別の方法を試してみる。朽木さんもカロリー制限食に限界を感じ、ゆるやかな糖質制限に切り替えたところ、挫折せずにダイエットを続けられたという。
「人が太るかやせるかは無数の選択の結果によるもの。駅で階段とエスカレーターのどちらを使うか、昼に何を食べるかなど、その瞬間、『はっ』と気づけるかどうかにかかっています」
より気づきを得やすくするために、ダイエット管理アプリや活動量計、体組成計などを駆使して客観的に数値化。自分が試したことが数字に表れているかを常にチェックすることが助けになる。
運動についても、ダイエット中の朽木さんは筋トレの重要性を実感したという。
「筋肉は加齢によって落ち、基礎代謝も減ります。でも、筋肉は何歳になっても筋トレで取り戻せます。脂肪を落とすには有酸素運動ですが、筋肉をつけることは将来の“貯蓄”のようなもので、少しでも続けておいたほうがいいですよ」
小さな選択を積み重ねるうちに、「楽しい!」と思えるものに出合えるはず。朽木さんは今、「暗闇バイクエクササイズ」にハマっているという。
「一つのやり方が合わなくても失敗ではなく、方法はいくらでもある。一つでもハマれるものが見つけられたらこっちのものですから」
(ライター・吉川明子)
※週刊朝日 2020年7月31日号