――陸山会裁判の山場である小沢さん自身の被告人質問が、1月11日に終わりました。率直な感想を聞かせてください。
一連の捜査は最初からすべて、僕が「不正なカネ」を受け取ったということを大前提にして進められてきたので、僕自身も、この事件で逮捕・起訴された僕の元秘書3人も、この3年間、非常にしんどい思いをし、無念の思いできました。
それでも昨年12月の公判で、元東京地検特捜部の田代政弘検事による捜査報告書の「捏造」疑惑などが飛び出し、あらぬ疑いがいろんな形で晴れてきたので、まあ、忍耐、苦労のしがいがあったと思います。国民みんなが徐々にわかってきてくれたということで自分を慰めて、自己満足するしかないかな、という気持ちですね。(笑い)
――被告人質問では、裁判の焦点の一つとなっている「現金4億円」の原資について、(1)両親から相続した東京・湯島の自宅を14億~15億円で売却し、現在の自宅を9億円前後で購入した残金(2)東京・上野の土地を相続し、売却した1億円前後(3)著書の印税8千万円などの収入計1億6千万~7千万円――などと具体的に説明しました。
すべて説明しましたよ。そもそも、検察が強制捜査をしても、不正は何もなかったんです。「不正なカネ」を取ったということを前提とした「見込み捜査」から始まっているから、何ともしようがないんですが、結果として、国民の皆さんもだんだんと真相がわかってきてくれているようだから、それで「よし」とする以外にないですね。
――2日間の被告人質問で、話すべきことは話したという感触はありますか。
検察官役の指定弁護士もほかに聞くことがないからだろうけれど、同じことを何度も何度も聞いてくるんです。裁判官の質問にも答えましたが、政治資金収支報告書をいちいち細かく見ている国会議員なんていません。法律の趣旨に照らしてどうかと聞かれても、確かにそれがいいというわけじゃないけれど、現実問題として、収支報告書の中身を細かく把握する物理的・精神的余裕はない。
それに、これも裁判で何度も言いましたが、収支報告書は、1年間の資金の出入りを書くという非常に単純な作業です。普通の能力を持っている人間ならば誰でもできることで、それを秘書に任せているわけです。議員がすべてを検証するのは不可能だし、議員自身が検証しなければならないのなら、秘書は必要ないということになります。