また、ブリッジは両隣の歯を削らなければなりません。一度削った歯はむし歯になりやすいことがわかっています。また、支台歯に負担がかかるため、その力により歯周病が悪化することがあり、メインテナンス時にはチェックが必要です。
なお、支台歯をできるだけ削りたくない、という場合は「接着ブリッジ」といって、金属やレジンというプラスチック、またはグラスファイバーで接着するタイプもあります。ただし、従来のブリッジに比べて固定される力が弱く、強い力がかかると外れやすい場合もあるということを知っておく必要があります。
*費用:一般的な材料を使う場合は健康保険の適用となりますが、健康保険対象外となる材料や治療法もあります。
(2)入れ歯
歯を失った部分に取り外しできる人工の歯を入れて、噛めるようにする方法です。入れ歯というと「総入れ歯」をイメージするかもしれませんが、1本から数本の歯を補う「部分入れ歯」もあります。部分入れ歯で一般的なのは「クラスプ」という、金属のバネを残った歯にかけるタイプです。部分入れ歯の最大のメリットは、健康な歯をほとんど削らずにすむことと、多くのケースで適応となることです。また、毎食後、取り外して洗うことができるので、清潔に保つこともできます(ただし、取り外しが面倒という人にとってはデメリットかもしれません)。破損した場合も修理をすることが可能です。
デメリットは歯の位置によりクラスプが見えてしまうことです。このために見た目を気にする人は少なくありません。クラスプをかけた歯の負担が増え、歯周病が進行したり、むし歯になりやすかったりします。また、固定式ではないので違和感があり、噛む力はブリッジに比べ劣ります。
総入れ歯は部分入れ歯よりも簡単な構造で、人工歯と歯肉を補う床で構成されています。床が歯肉に吸盤のように吸い付くことで固定されます。
総入れ歯のメリット、デメリットは部分入れ歯と基本的に同じですが、総入れ歯の場合、口の中全体を覆うために、食べ物の味や温度を感じにくいことがあります。また、「外れやすい」「痛みが出る」「食べ物がはさまる」ということがないよう、完成後も細かい調整が必要です。
*部分入れ歯には白く目立たないホワイトクラスプ、磁力などを利用したアタッチメントタイプなどがあります。ただし、金属のクラスプタイプ以外は保険適用外となります。床についてもプラスチック以外の床(金属床)は保険適用外です。