翌61年には伊豆急行線が開業し、国鉄伊東線との直通運転を開始。いまも都心と伊豆とを結ぶルートとして利用されている。62年には営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線と東武伊勢崎線、64年には営団東西線と国鉄中央本線(総武緩行線)との直通運転がはじめられるなど、ベッドタウンと都心とを結ぶルートが異なる会社間の直通で拡充していった。

■直通運転のメリットとデメリット

 こうした直通運転ルートは、2020年8月現在49を数える(JRグループ内および国鉄・JRから経営分離した第三セクター路線とJR間の直通運転を除く。また、数え方により差違が生じる場合があります)。おおかまにタイプ分けをすると、
・A:拠点駅と接続点間の乗り入れ
・B:接続駅からの延長運転
・C:都市間または生活路線ルートの拡充
・D:経営分離以前からの継承(JR~第三セクター間など)
・E:その他
 ということになろうか。

 A「拠点駅と接続点間の乗り入れ」は仙台空港鉄道や鹿島臨海鉄道などが相当する。仙台空港鉄道はJR東北本線と名取で接続するが、全列車が東北本線との直通運転で仙台発着。これは仙台空港利用者などの利便性を確保するためと考えられる。鹿島臨海鉄道は鹿島サッカースタジアムと水戸とを結ぶ路線だが、水戸側の区間運転を除く全列車がJR鹿島線に乗り入れ鹿島神宮を起終点としている。また、鹿島サッカースタジアムに停車するのはJリーグ試合開催日などに限られるほか、通常はJR側からの乗り入れがないため、鹿島神宮への乗り入れによって両社線の接続を果たしているわけだ。

 B「接続駅からの延長運転」は東京メトロ東西線とJR総武緩行線との直通運転などが相当する。東西線は起終点駅となる中野と西船橋でそれぞれ総武緩行線と接続しているが、中野側では三鷹まで、西船橋側では津田沼まで直通運転を実施。また西船橋で接続する東葉高速鉄道は一部を除きほぼ全列車が東西線との直通運転となっているが、こちらはAに近いスタイルと見ることができる。

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