■北海道新幹線は条件付きで青春18きっぷでの乗車を認める
2004年3月13日、九州新幹線が新八代~鹿児島中央でスタートした。これに伴い鹿児島本線八代~川内(せんだい)は肥薩おれんじ鉄道に転換された。八代~鹿児島中央は肥薩線・日豊本線経由で向かうことができるとはいえ、肥薩線の運転本数が少なく、なおかつ遠回り。青春18きっぷユーザーにとっては、利便性が低下した。
2005年3月14日、北陸新幹線長野~金沢が開業すると、信越・北陸本線の同区間は、しなの鉄道(長野~妙高高原)、えちごトキめき鉄道(妙高高原~直江津~市振<いちぶり>)、あいの風とやま鉄道(市振~倶利伽羅<くりから>)、IRいしかわ鉄道(倶利伽羅~金沢)に転換された。
旧北陸本線の津幡(つばた)で分岐する七尾線、高岡で分岐する城端(じょうはな)線、氷見(ひみ)線は引き続きJR西日本が運営するため、IRいしかわ鉄道の金沢~津幡、あいの風とやま鉄道の高岡~富山は、各線の両端の駅で下車する場合のみ、通過利用ができる。しかし、津幡~高岡は対象外である。
2016年3月26日に北海道新幹線新青森~新函館北斗が開業すると、本州と北海道を結ぶ在来線定期旅客列車が全廃された。
JRグループは青春18きっぷユーザーへの救済措置として、津軽線津軽二股駅に隣接する北海道新幹線奥津軽いまべつ~木古内および、江差(えさし)線を引き継いだ木古内~五稜郭の通過利用をセットにした「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を2,300円(大人、子ども同額)で発売した。
新幹線の開業で青春18きっぷエリアが狭まり、遠回りを強いられるならまだしも、高速バスやLCCといった別の交通機関に乗り換えるなど、“鉄道離れが実際に起こっているのでは?”と危惧する。
■並行在来線を引き継いだ第三セクター鉄道の利用を可能にすべき
並行在来線を引き継いだ第三セクター鉄道のうち、肥薩おれんじ鉄道は「おれんじ18フリーきっぷ」(大人2,100円。子ども用なし)、えちごトキめき鉄道は「トキ鉄18きっぷ」(大人1,000円。子ども用なし)を青春18きっぷ期間中に一部の駅や列車内で発売。当日有効な青春18きっぷを提示すれば、このお得な乗車券を購入でき、自社管内の路線を自由に乗り降りできる。