立憲民主、国民民主などが合流し、新党を結成する方針を決めた。新党がまとめた綱領案の中身とは。ポスト安倍とはどう向き合うのか。AERA 2020年9月7日号は、立憲の福山哲郎幹事長に聞いた。
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──立憲民主党、国民民主党と二つの無所属議員グループなどが合流して新党を結成することで基本合意しました。ポスト安倍とどう対峙しますか。
安倍晋三首相の連続在任日数が歴代最長となり、7年半のアベノミクスで国民生活はもはや限界でした。非正規雇用が増大し、格差と分断だけが広がりました。また行政は劣化し、誰のための政治なのかという不信は膨らむばかり。モリカケ、桜を見る会、検察庁法改正、河井前法相事件など不祥事を数えればキリがありません。最たるものはコロナ禍における危機管理です。不要なアベノマスクの配布、唐突な全国一斉の臨時休校、進まないPCR検査の拡大。GDPが戦後最大の落ち込みを見せる未曽有の危機に、与党は憲法を無視して国会を開かず、安倍首相は記者の質疑にも応じなかった。
安倍一強政治が終わるインパクトは大きく、一つの時代の終わりを意味します。新党には安倍政治の功罪を検証し、緊張感のある国会を取り戻す役割が求められています。
私たちは衆議院で共同会派を組み、二つの国会に臨んできました。この間、188本の法律に対して造反者は新型コロナ特措法の採決で出た2人だけ。コロナ禍対応では事前に要望をまとめて政府側に提示し、家賃補助や文化芸術分野への支援などを実現させてきました。一つの政党になり、真正面から政権に対峙できるという自信を得ることができました。
──しかし、国民の反応は立憲民主党結党時のような盛り上がりとはほど遠いように感じます。
新党への強い期待感があるわけではないのは確かですが、一方で今の安倍政権のやり方に反発し、立憲主義的な熟議の政治に期待する声は非常に高まっています。象徴的だったのがネット上で起きた「#検察庁法改正案に抗議します」といううねりです。官邸で決めれば何でもできる、議席があれば何でもまかりとおる、という無茶苦茶な政治に、多くの国民が「NO」を突きつけました。衆院選が近付くなか、このような声の受け皿として野党が大きな塊に結集する必要があります。今のタイミングでの新党結成は「時代の要請」だと受けとめています。