沖縄でヤギは、祝いの席で供されるほか、強壮薬効食としても知られ、産後の肥立ちが悪い女性や、体が弱っている人に食べさせています。
食べ方は、まずヤギ一頭を肉と内臓とに分けます。肉は主に刺し身にして、内臓もすべて食べます。血も取っておいて、一滴もムダにしません。刺し身以外の肉と内臓を、ぶつ切りにしてじっくりと煮込み、身が骨から外れるぐらいにまでなったら、取っておいた血を入れ、よもぎ草をたくさん入れたあと、さらに煮込んで仕上げます。
◆体中熱くなって、鼻血がタラーッ◆
それを好みに応じ、塩やおろしショウガで味付けして食べる。このとき血を入れたヤギ汁は「ヒージャーヌチーイリチャー」、入れないほうは「ヒージャージル」と言います。臭みがとても強いので血を入れないこともあるのです。
さらに「ヒージャーヌチーイリチャー」には、ヤギの一物と睾丸を入れたものもあります。私は、この一物と睾丸入りのほうを、どんぶりで3杯ほど食べたことがあります。すると、3時間もするとカッカカッカ、体中が熱くなって、鼻血がタラーッ。もちろん、下のほうもズンズン、ムズムズです(笑い)。ヤギを食べると効きすぎてのぼせるからか、いまでも沖縄では血圧の高い人には食べさせるな、と言われます。
沖縄でもうひとつ挙げるなら「イラブー料理」ですね。イラブーとは、沖縄本島に近い久高島産のウミヘビを燻して乾燥させたもの。イラブー汁は、このイラブーを、豚足や昆布と一緒にカツオ節のだしでじっくりと煮込み、塩としょうゆで味付けしたものです。
イラブーと豚足からおびただしいほどのゼラチンとコラーゲンが流れ出るから、汁はとにかく濃厚で、トロトロ。ゼラチンとコラーゲンはとても強い精力剤で、人間の一物を持ち上げるジャッキの役目を果たします。