撮影/写真部・松永卓也
撮影/写真部・松永卓也

 オンライン会議で発言が長い、関係者が多すぎてどうすれば……。よくあるトラブルをどう解決策すればいいのか。AERA 2020年9月7日号は、日本ファシリテーション協会フェローで『オンライン会議の教科書』の著書がある堀公俊さんに聞いた。

【イラスト】オンライン疲れに負けないためにできる14つこと

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Q:関係者全員を集めると、15人程度になってしまい、多すぎて議論になりません。人数を絞ると参加できなかった人との間にギャップが生まれてしまいます。どうしたらよいでしょう。

A:小グループに分けて議論をして、グループごとの結論を統合してみてはどうでしょうか。例えばZoomなら「ブレイクアウトルーム」という機能があり、部屋に振り分けて少人数で会話ができます。または議題を二つに分けてどちらか片方に参加してもらう方法もあります。

Q:社の会議室にいるメンバーと、リモートで自宅から参加するメンバーがいます。両者をつなぐ会議の場合、何かコツはありますか。

A:可能ならこういうやり方は避けたほうがいいです。リアルで集まっているメンバーの内輪感が出てしまい、リモート参加者は疎外感を覚えます。公平な議論のためには、全員オンラインか、全員リアル、どちらかが望ましいと思います。仕方ない場合は、リアル会議のメンバーは内輪話をしたり目で合図したりせずにオープンに。なるべくリモート参加者に話を振って気遣いを示しましょう。

Q:ずっと一人で話し続けるベテランのメンバーがいます。他の人が発言できず、困っています。

A:ファシリテーターがカットインする必要があります。「あと30秒」「巻きでお願いします」などとテレビ番組のようにカンペを出すのはどうでしょうか。場合によっては、マイクを強制的にオフにして「あれ、調子がおかしい」とトボケるのもいいと思います。多いのは「他人の話を聞いてもロクなものはなく、自分が答えを出さないといけない」と思い込んでいるケース。つまりメンバーを信用していない。「あなたが正しいのは分かっているが、一度他のメンバーにも考える機会を与えてほしい」とはっきり伝えましょう。

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