一方で結婚については、複数の媒体で昨年、「今はする気がない」といった趣旨の発言をしていた。週刊朝日の作家の林真理子さんとの対談でも「(結婚は)しないかもしれませんよ」とサラリ。ほかにもこんな発言をしている。

「結婚ですか(笑)。確かに、20代も後半になると、結婚に関して聞かれることが多くなりました。実際、20代前半の頃は、『30歳までにはきっと結婚するでしょう』と言っていました。でも、今は全然結婚したくないんです。(笑) 

40歳くらいまでにできればいい。そういうふうに気持ちが変化したのも、自分の中に俳優としてやるべきこと、やりたいことが明確に見えてきたからだと思います」(婦人公論2019年10月8日号/29歳)

 家族への憧れと、結婚、そして仕事。30歳目前にして複雑な胸の内がみてとれた。

【俳優という仕事について】

 7歳で子役としてデビュー。13歳でNHK大河ドラマ「武蔵」に出演し、その後も一度もキャリアが途切れることなく、映画や俳優、舞台と活躍の場を徐々に広げてきた。

 10代のころは「自分の色」を探し求めて模索していたように思える。

「とにかくずっと俳優を続けて、田村正和さんのように、誰にもできないような演技、その人だけにしかない輝きを演じられるようになりたいです」(週刊女性2005年5月24日号/15歳)

「自分だけの色を出せるような俳優さんになれたらいいなって思います」(ピクトアップ2006年6月号/16歳)

 2007年に映画「恋空」に出演。映画はヒットし、翌年、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。07年は映画「奈緒子」にも出演した。旬の俳優として注目を浴びたが、本人の発言からは、何者にもなりきれていない、10代後半の迷いや葛藤がのぞく。

「5年後どうなっているとか、目標とする人とかはわからないです。興味のあることは、片っ端からチャレンジして、『自分らしい』何かを見つけたいですね」(JJ  2008年3月号/17歳)

 同時に、2本の映画の出演によって俳優としての手ごたえをつかんでいたようだ。インタビューでは俳優という職業について前向きな言葉を繰り返し述べていた。

「本番前の役の気持ちの作り方や集中の仕方、そしてひとつの作品を作り上げる喜びを、これまで以上に深く見い出せるようになったという手応えは感じています」(anan  2008年2月13日号/17歳)

「ひとつの作品を終え、それが上映される頃になって、作品を通じて、俳優・三浦春馬が今まで味わったことのない感情を味わえていたことに気づくんです。自分を見つめ直せる職業なんだなって、ここ1、2年で気づきました」(MORE 2008年9月号/18歳)

次のページ
20代は、ありのままの自分を受け入れる