20代から肩こりに悩まされてきたAERA副編集長(45)が、人気「肩こり解消動画」を公開する柔道整復師・迫田和也さんを訪ねた。実際に施術を受けた感想とその効果とは。AERA 2020年9月21日号は「さらば肩こり」特集。
【画像】YouTubeでも人気!「セルフ整体」の様子をもっと見る
* * *
神奈川県藤沢市で「整体院 和」を経営する迫田和也さん(34)。いま大人気の「肩こり解消動画」の一つを配信している人物だ。
それまでの10日間ほど、取材のため数々の動画を見て体を動かしただけに、筆者の肩はここ数年で一番と言えるほどいい状態。だが目の前に立った筆者を一瞥して迫田さんは言った。
「肩甲骨がかなり前に出ていますね。今『調子がいい』と感じていても、そのままではまたすぐに症状が重くなりますよ」
猫背が肩こりの原因になる理由を迫田さんはこう解説する。
「肩甲骨が前に出ることで、僧帽筋(そうぼうきん)、菱形筋(りょうけいきん)など首と肩周りの筋肉が引っ張られます。肩こりで直接的につらいのはその部分ですが、ここをもんでも、引っ張られてピーンと伸びた筋肉をさらに伸ばすだけで逆効果。確かに気持ちはいいですが、次はもっと強い刺激が必要になって、『沼』にはまってしまいます」
では、どうすれば?
「必要なのは肩甲骨を前に引っ張っている方の筋肉を緩めてあげることです。具体的には、胸にある大胸筋、脇腹の後ろ側にある広背筋、そして前腕の屈筋の三つです」
人気の動画は、これら三つの筋肉を自分の手でグッとつかんでほぐすという内容だ。「それでは始めましょう。大胸筋はここです」と筆者の体に触れて直接説明し始めた迫田さんの表情が一変した。
「ここが広背筋……わっ、硬い! 辞書みたいですね」
辞書!? つかまれた痛みが残る場所を自分でもつかもうとしたが、手の力が足りないのか、脂肪が邪魔なのか、つかみきれない。そうか、俺は脇に辞書を入れて生きているのか……。
「直接触れた方がピンポイントで効率はいいのですが、大丈夫ですよ。ストレッチで伸ばしていきましょう」