しかし今回は獲得に積極的でなく、ロッテに先を越されても球団内ではほとんどが意に介していないという。

「マーリンズ時代に調査したところ、左腕の故障はかなり重症だと判断された。実際に近年は目立った活躍もしておらず、リスクを犯してまで獲得する必要がなかった。また契約等に介在する代理人の存在も気になった。ロッテのように1年目は破格値でも、翌年以降のオプションでかなり強気な交渉を仕掛けてくるのは見えている。結果は出ていないが左投手の数だけは揃っている中日なので、トータルで考慮した結果で獲得は見送ったのだろう」(中日担当記者)

 チェンの今季契約はマリナーズが10万ドル(約1060万円)のマイナー契約分。加えて前所属マーリンズとは、20年までの契約を昨年破棄されたため、残り1年分の年俸約2200万ドル(約23億2000万円)が残っていた。

 今季はお金に困らないチェンとロッテは3000万円と言う破格値で契約できたが、来年以降は通常モードの契約姿勢に戻ることは必至である。なぜならチェンの代理人は超敏腕と言われるスコット・ボラス氏だ。

「リーグ優勝の大チャンス。先日の澤村拓一もそうだが、勝利を知っている選手の存在は周囲に大きな影響を及ぼす。パ・リーグにはソフトバンクという常勝球団がいる。選手層も厚く、予算規模はうちとは比べ物にならない。でもチームとしては過渡期に差し掛かっている。ベテラン選手も多いが、経験がまだ少ない選手が試合に出ている今年はスキも出てくるはず。実際に直接対決での相性は良い。まずはなんとしても優勝する。優勝すればグッズも売れたりして、お金もどんどん入ってくる。来年以降は二の次です」(ロッテ球団関係者)

 05年はリーグ優勝からの日本一。10年は下克上からの日本一。「5年周期で強いロッテがやってくる」と言われたが、15年は何も起こらなかった。そして何かと世間が騒がしい20年大きな機会が訪れた。「これを逃すまい」とロッテが一丸となっている。

 これまでは考えられなかった、立て続けのビッグネーム獲得である。

 一足早くマウンドに上がった澤村はチームの起爆剤になりつつある。チェンはどうなのかに注目したい。

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