「エンターテインメントはわかりやすさが重要です。読んだだけで、登場人物の表情や風景がすぐに思い浮かぶような作品になるよう、常に心がけています。その点、『半沢直樹』シリーズは読者がドラマのイメージで脳内変換してくれるから、書きやすくなりました」
ドラマと小説では設定が多少違うが、映像化されたときのことを想像して書いたりはしない。テレビで「半沢直樹」を見るときは、一視聴者として純粋に楽しむ。
自分自身に向かう作家と読者に向かう作家がいるというが、池井戸さんは完全に後者のようだ。
「万人が楽しめる作品をつくりたいと思って書いているので、意識して形容詞を省いています。意味がわかりづらい横文字やカタカナ語も、極力使いません。小学生から80代のお年寄りまでいる、幅広い読者のためです」
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<プロフィル>
池井戸 潤(いけいど・じゅん)/作家。1963年、岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒業。1998年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』で直木賞を受賞。主な著書に「半沢直樹」シリーズ、「下町ロケット」シリーズ、「花咲舞」シリーズ、『空飛ぶタイヤ』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『民王』『アキラとあきら』『ノーサイド・ゲーム』など
(構成/大場宏明、編集部・中島晶子、伊藤忍)
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