■代官山アドレス ザ・タワー


分譲会社/鹿島他
東急東横線 「代官山」駅 徒歩1分  
全501戸 2000年8月築 36階建て

 代官山は、山手線の外側では第一等の評価を受けるロケーションです。もともとは、東京のはずれの準郊外の丘。何にもないところでしたが、転機が訪れたのは1970年代。大地主だった朝倉家が建築家の槇文彦氏に「代官山ヒルサイドテラス」の設計を依頼したことでした。今ではすっかりおしゃれな街に変貌した代官山は、このヒルサイドテラスの誕生が起爆剤となったのです。

「代官山アドレス ザ・タワー」は駅徒歩1分。残念ながら駅直結ではありません。ここは昭和初期に関東大震災の復興事業として建てられた、同潤会アパートの跡地です。ゼネコンの鹿島が権利調整をして、タワマンとして建て替えられました。

 このマンションは竣工してすでに20年がたっていますが、代官山という立地の希少性が今でも高い資産価値評価となっています。今やすでに「ヴィンテージ」と呼んでいいでしょう。周辺にタワマンが建たないことも、このマンションを引き立てています。上層階の西向き住戸からは、富士山がキレイに見えるそうです。

 中古の取引事例を見ると、坪単価600から700万円台。20年前の新築時と比べると、若干ではありますが値上がりまでしています。ただし、このコロナ不況で今後は弱含みでしょう。そういったところで、底値はある程度固いと思います。このマンションに住みたがる富裕層は絶えないはずですから。

 このマンションの今後に注目すべきは、管理でしょうね。良きリーダーを得れば、この物件は長らくヴィンテージタワマンの評価を維持できると思います。

■青山パークタワー
分譲会社/三井不動産他
山手線 「渋谷」駅 徒歩5分
全314戸 2003年5月築 34階建て

 このマンションが新築で出てきたときに「よくこんな場所に土地があったなあ」とビックリしたのを思い出します。聞けば旧梨本宮邸跡地だそうです。新築として売り出された2002年ごろは、ちょうどマンション価格が底値だった頃でしたが、当時ですら「坪単価600万円」と言われていました。

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