そして韓国女子がこぞって「彼氏にしたい」とラブコールをしてやまない“ロマンスの似合う男”チョン・ヘイン(32)。兵役を経て26歳で俳優デビューし、30歳で「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」で、大ブレークした遅咲き俳優だ。
「韓国TVドラマガイド」の高橋尚子編集チーフは、同雑誌で、彼をこう修飾した。「どこにでもいそうな素朴で穏やかな印象なのに、不意打ちで生身の色気を醸される。あまりにも自然で、あまりにも危険な魅力を持つ俳優」
「愛の不時着」のソン・イェジンがヒロインを務めた「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」は、姉と弟のような関係だった男女が久しぶりに再会し、異性として意識するようになってからの紆余曲折を描く正統派ラブストーリー。
チョン・ヘインは、ヒロインを守り、癒やし、愛で包む“年下男子”を演じた。ドラマのヒットに一役買ったのが、チョン・ヘインの“生身感”だ。ベビーフェイスで一見草食系に見えるチョン・ヘインが、ソン・イェジン相手に濃厚なキスをし、甘い言葉をバンバン投げかける。その姿が「妙にリアルで子宮が疼く」と、女性たちからは“死んでいた恋愛細胞を生き返らせる”と評された。
「居酒屋で周りに気づかれないようにテーブルの下でヒロインの手を握る場面は、ドキドキしすぎて心臓が飛び出しそうでした」(30代韓国女性)
最新作「半分の半分~声で繋がる愛~」では、死んだ初恋相手に片思いし続ける青年を演じている。
「彼の魅力は瞬きにあると思っています。瞬きや流すような視線の動きに感情をのせていくのがうまい。そして、ただ誰かと話す、誰かの話を聞くという時のちょっとした動き、例えば首をちょっとかしげたり、相手の言葉に反応してふと上目遣いになったり、唇を噛んだり。それがものすごく自然で見入ってしまいます」(高橋チーフ)
実は名家の生まれ。朝鮮22代王・正祖の右腕として活躍した実学者チョン・ヤギョンの直系子孫だ。チョン・ヤギョンは韓国民に尊敬される偉人だが、「チョン・ヘインをこの世に誕生させたことはチョン・ヤギョンのまた一つの偉業」と言われているとか。
実際の印象も違わず、物腰が柔らかく、真面目。イ・ジョンソク(「あなたが眠っている間に」)と北海道旅行を楽しんだり、大好物は日本の生ビールだったりと、日本好きでも知られる。日本女性たちの心をときめかせる日も近い。
(酒井絵美子)
※週刊朝日 2020年9月11日号より抜粋