新型コロナウイルスの影響で入場者数制限は続いているものの、各地で熱戦が繰り広げられている今季のJリーグ。J1では川崎が圧倒的な強さで首位を快走し、J2では福岡、徳島、北九州、長崎の四国・九州勢が上位を独占。そんな中、J3では秋田が10月11日に開催されたC大阪U-23戦に勝利し、開幕20戦無敗(15勝5分け)というJリーグ新記録を打ち立てた。ここで改めてJ3の選手個人に注目し、「J1でも活躍できそうな選手」をピックアップしたい。※以下、順位と成績は全て10月18日終了時点のもの
まず初めに推薦すべきは、首位・秋田の守護神、GK田中雄大だ。1995年11月17日生まれの24歳。青森山田高時代に選手権に2年連続で出場し、桐蔭横浜大を経て2018年にJ3相模原へ加入。今季から秋田に完全移籍すると抜群の反射神経とコーチングでゴールに鍵をかけ、開幕から7試合でわずか1失点。シュートセーブ率95%という驚異的な数字を残してJ3リーグの月間MVPを受賞した。その後も全試合出場を続けながらビッグセーブを連発し、22試合中16試合でクリーンシートを達成。22試合7失点というのは、どれだけ優れたDF陣が揃っていたとしても、GKの能力が高くないと実現は不可能な数字だ。
その秋田の攻撃陣で目立つのが、MF江口直生だ。1992年3月22日生まれの28歳。大阪産業大から2014年にJ2愛媛に加入し、2017年から秋田に所属。ボランチとして攻守のバランスを取るが、何と言ってもセットプレー時の右足精度が抜群。第16節の鳥取戦でFKとCKから2アシストをマークするなど、常に高質なボールを送り続け、ここまでリーグ最多の9アシストを記録。さらに第8節のYS横浜戦では左斜め45度の位置からのFKでニア上をぶち抜くと、第19節の岩手戦でもFKで直接ゴール。セットプレーからの得点が全体の30%を占めると言われる中、江口に触手を伸ばすJ1チームがいても不思議ではない。