新型コロナウイルス報道で、一躍テレビに引っ張りだこになった岡田晴恵さん(白鴎大学教育学部教授)。感染症対策の第一人者として知られ、「コロナの女王」という異名まで付けられたほど。作家・林真理子さんとの対談では、コロナ感染再拡大の不安を明かしました。
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林:新型コロナウイルスが広がり始めた今年春ごろには、毎日のように岡田先生のお姿をテレビで拝見していましたが、このごろはあまりお見かけしないような気がします。
岡田:今、コロナの報道が少なくなって。私、マスコミの啓発や注意喚起は大事だったと思います。第1波が小さく済んだのは、報道の注意喚起が大きかったと思うんです。国民も「予防しなくちゃ」と意識を高めたから、症状のある人もない人も含めてみんながマスクをして、手洗いも消毒もしていました。報道が国民の行動変容を動機づけたと思うんですね。
林:志村けんさんをはじめ、有名な方がお亡くなりになったことも大きかったですよね。
岡田:今、コロナ疲れと慣れが出てきて、気も緩みがちで。それが怖いなって思います。
林:みんな忘れたフリをしてるという感じがします。
岡田:「Go To トラベル」はマスクしながら旅行して、食事も部屋食であればリスクは減らせるかと。「Go To イート」は、マスクを外してみんなでお酒を飲んでワーッとなると、感染の伝播が不安です。そこをどう自制していけるか、テイクアウトや宅配も利用してとか、ハメをはずさないうまい飲み方ができるか、そういうことが大事だと思います。
林:気をつけないといけないですよね。
岡田:コロナやインフルエンザのようなウイルスは、温帯では乾燥低温の冬に流行しやすいんです。これから冬を迎えて患者さんが多くなる可能性があるので、11月から2月が要注意と思います。だから、冬までに医療と検査体制をちゃんとしなければと、春から言ってきたんです。
林:初歩的な質問で申し訳ないんですが、インフルエンザとコロナに同時にかかるということもあり得るんですか。