「違いますね。カンボジアには中国の企業が多い。中国からの圧力で、中国人を優遇したいけど、あからさまにはできない。中国は感染者が少ないから、中国から飛行機で、感染者が出ることはまずない。そこで中国と合意したって話です」
首都のプノンペンの空港に到着する飛行機のほとんどが中国各地からの便だという。 カンボジアに入国した人は全員、PCR検査を受ける。その結果が出るまでの1日から2日、全員が隔離される。
ところがそれを面倒と思ったのか、一部の中国人は、隔離施設に向かうバスの運転手に賄賂を渡し、そのまま職場に向かってしまうのだという。現地の新聞が報道している。
アジアのなかで、感染を抑え込んでいる国は、なんとか人の動きを加速しようとしているが、中国が絡むと、急に水面下に入り込んでしまう。これも中国問題なのか。
■下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(週)、「沖縄の離島旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)。