愛子さま (c)朝日新聞社
愛子さま (c)朝日新聞社
(左から)東大名誉教授・御厨貴氏、朝日新聞元編集委員・岩井克己氏
(左から)東大名誉教授・御厨貴氏、朝日新聞元編集委員・岩井克己氏

 秋篠宮さまが皇嗣になったことを宣言する立皇嗣の礼が11月8日に執り行われる。皇室有識者会議で座長代理を務めた御厨貴氏と岩井克己・朝日新聞元編集委員が菅新政権と令和皇室の関係についてZoom対談。皇統問題のキーパーソンは官邸の“重鎮”杉田官房副長官という。

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御厨貴氏:ようやくです。コロナ禍で延期になっていた立皇嗣の礼が、11月8日に行われますね。

岩井克己氏:ええ。代替わりに伴う一連の儀式の締めくくりです。皇位継承順位の第1位が秋篠宮殿下、第2位が悠仁殿下という皇室典範特例法制定で確定した順位が、祭祀の世界でも固まることになります。皇居宮中三殿、伊勢神宮や神武天皇陵、昭和天皇陵に報告、ごあいさつされる。11月23日の新嘗祭。天皇陛下とともに平安装束姿で神嘉殿に入り、天皇のそばに控える。今後は他の祭祀も紀子さまと殿上拝礼されることになる。

御厨:秋篠宮さまの55歳の誕生日(11月30日)もあり、眞子さまと小室(圭)さんの問題に関する発言も注目されます。

岩井:僕は最初から、ご本人たちが希望するならば、一緒になればいいと思っていた。女性皇族結婚は私的なことだし、思う通りにならなかったら別れられればいい。英国王室でも皆さん別れていますからね。
 やっかいなのは、皇籍離脱となれば「女性宮家」創設論議と絡んでくる点です。

御厨:眞子さまは、10月に29歳、愛子さまも12月に19歳になります。たとえ女性宮家の議論を始めても、眞子さまの結婚には間に合わない。

岩井:大事なのは、将来、男子継承が危うくなった万が一の時には皇籍に復帰していただける手段を考えておくことです。それまで「元内親王」とか「皇女」とか肩書をもって、公務などを手伝っていただく。個人的には、いざとなれば、それこそ特例法でもいいと思います。

御厨:準皇族のような立場もひとつの方法ですね。問題は、小室さんのスキャンダルです。だが、戦前の王室、皇室にスキャンダルはつきものでした。当時を考えればひどいことではない。

岩井:昔の新聞は、醜聞も丸めて書きましたが。

御厨:いまはSNSによって数分で炎上し世界中をめぐる。やっかいです。ところで、代替わりの瞬間は、令和の天皇さんもいいスタートを切った印象でした。即位の宮中行事をつつがなく終え、パレードや皇居前広場の祭典では、国民との一体感すら醸成できた。菅政権では登場人物が代わりました。官房長官だった菅(義偉)さんは総理に就任。加藤勝信官房長官、杉田和博官房副長官の布陣になった。

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