ママ友の何人かに幼稚園受験を検討していると言うと、
「知り合いの子が通っているんだけど、あそこは◯◯らしいよー」
とか、有意義な情報をたくさんくれた。
「プレスクール」というものがあるのもそこで初めて知った。
各園で、月に1回か2回、入園希望の幼児に向けた授業をやったり、園庭開放をしていたり。
そこに参加しておくことはきっと受験の時にプラスになる。
今年はコロナで中止も多かったけど。
週一で通っている幼児教室の先生からは、「そろそろ受験スーツを用意してください」と、早い段階で言われ、それがどこに売っているのかも分からないのでとりあえずデパートに行ったらば、婦人服売り場の一角にあった受験スーツは8万だ9万だするではないか!
いやいやいや、別に欲しくて買う訳でもない服にその値段は……と買う気になれず、こどもの服(こっちも高い!)と靴だけ買って自分の服はネットで夜な夜な検索して手ごろな値段のものを取り寄せた。
紺色の膝丈スカートにジャケットのスーツ、紺色の受験バッグ、紺色の受験パンプス、夫にも「大手の紳士服メーカーとかで用意してきてね」と休日に出かけてもらった。
そしたらお店の人の話術に乗せられて、言われるがままに7万のスーツを買って帰って来たものだから、かすかに殺意を覚えたことは言わずとも多分顔に出ていたと思う。
「試験の当日、急に受験服を来て緊張しちゃうといけないので、慣れさせるために塾に着せて通わせて下さい。お父さん、お母さんが着ている姿も見慣れてもらうために、一緒に着て来てください」
ということで毎週スーツを着て近所の幼児教室に通わせ、
「面接特訓に申し込んでくださいね」(1万円)
「願書添削の申し込みをしてくださいね」(6千円)
「本部の面接特訓が迫っています」(1万円)
「行動観察のための特訓はどうしますか?」(1万円)
と色々とせっつかれて「これが幼稚園受験の世界か……」と圧倒されつつ、不安ばかりが膨らんでいったものだった。