男女差について、日本笑い学会会長で関西大学教授の森下伸也さんも指摘する。
「性差は明確です。あるアンケートでは男性のほうが笑いの頻度が低く、実際に講演会に来る人でもびっくりするくらい笑いません。笑う場面になると体が身構えてしまって、感情を外に出すことへの抵抗感がある男性は多く見られます」
コロナ禍の今、マスク着用の機会は多い。歯を見せることに抵抗があっても、表情を作ることが肝要だと森下さんも話す。
「子どもに向かって『○○ちゃん笑ってごらん』と言うのも、そこに社会生活を送るうえでの値打ちがあるから。口角を上げるなど表情を作ることで顔の筋力を鍛えることにもつながります」
身近に笑いの要素はたくさんあるという。
「日本には笑わせてくれるポイントが生活の中にたくさん潜んでいます。テレビはものすごい数の番組がありますから、お気に入りの番組を見つけるのも楽しい。川柳なんて日本独自の文化で、毎日の新聞に載っていますし、気づかずにスルーしてしまうのはもったいない。日常的に笑うことを意識してほしいです」
(本誌・秦正理)
※週刊朝日 2020年11月13日号より抜粋