■木々に囲まれた港区白金台のミッション校
東京都港区白金台。高級住宅街として知られるこの町に、1884(明治17)年に創立されたプロテスタント系の女子校がある。
その名は「頌栄(しょうえい)女子学院中学校・高等学校」。
JR・京急本線「品川駅」、都営浅草線「高輪台駅」、都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」、JR・東急池上線「五反田駅」のそれぞれから徒歩圏内に位置している。とりわけ高輪台駅の出口からは数十秒歩けば校門にたどり着くという抜群のアクセスを誇る学校だ。
構内に足を踏み入れると都心とは思えない緑豊かなキャンパスがあり、運動場を囲む森の木々は港区保護樹林に指定されていて、そこにはさまざまな動植物を見ることができる。
校庭に向かう坂道を歩いていると、多くの在校生たちの語らう姿が目に飛び込んでくる。そして、思わず振り向いてしまうのは、英語で言葉を交わしている在校生たちが少なくないことだ。
同校は全校生徒の約20%を帰国生が占めている。
在学している中学2年生は言う。
「教室だってそうですよ。帰国生同士、英語でやり取りしている姿が普通に見られます」
■帰国生との混合クラスが独自の文化を醸成する
同校では帰国生と一般生の混合クラスを複数設けているという。前出の中2生は混合クラスの雰囲気を教えてくれた。
「帰国生同士は英語で話していることが多いですね。でも、だからといって一般生と距離があるわけではないです。こっち(一般生)は帰国の子たちに図々しく英語の質問をたくさんします。その代わりに社会をこっちが教えることもあります。みんな仲良しです」
同じく一般生である高校2年生は、冗談めかしてこんな話を聞かせてくれた。
「テスト前なんて帰国の子たちが大人気。英語について質問攻めにします。iPhoneに『Hey Siri!』と呼びかける感じ(笑)」
前出の中2生は、帰国生たちと接する中で「文化の違いを感じることもある」と話す。
「たとえば、お弁当ひとつとっても違いがあります。ある日、リンゴを丸ごと持ってきてそれをかじっている子を見て、『おお!』と新鮮に感じました(笑)」