長く下落を続けていた不動産価格が底を打ち、早くも「不動産バブル」の気配さえ漂っているという。念願のマンションを購入する場合、気をつけなくてはならない点は、どこにあるのだろう。都心に買うか、郊外に買うか。販売価格を見るとかなりの差があるため、迷う人も多々いるだろう。
多くの専門家が口をそろえるのは、「マンションは立地がすべて」ということだ。不動産調査会社「東京カンテイ」の中山登志朗上席主任研究員はこう話す。
「マンションの資産価値は『立地が9割』です。立地には、首都圏なら都心からどれくらいの距離にあるか、最寄り駅から徒歩何分かという二つの要素があります。もちろん、都心に近ければ近いほどよく、駅から近ければ近いほどいい。郊外は安いのですが、それ以上に資産価値の下落幅も大きいことを知っておくべきでしょう」
とはいえ、JR山手線の内側など、東京のど真ん中は高すぎて手が出ないという人は多いだろう。どのあたりまでなら価値は下がりにくいのだろうか。
「山手線から私鉄で2、3駅までなら大丈夫でしょう。横浜やさいたま新都心など、例外的に資産価値の高いところはありますが、基本的には都心寄りのほうが資産価値は安定して、落ちにくい」(不動産調査会社「アトラクターズ・ラボの沖有人社長)
※週刊朝日 2013年2月22日号