「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】2019年度の女性社員選抜型リーダーシップ研修の一コマ
ローソンでは2005年以降、新卒採用の女性比率を50%にすることを目標に、女性を積極的に採用しています。役員の女性比率30%を目指す活動「30% Club Japan」にも加盟しています。実は、7年前に私がローソンにきた頃は、会議でもダークスーツ一色。その中で、「子育て世代の女性の嗜好は○○です」などと議論する。ちょっと違和感みたいなものを感じましたし、もっと女性の意見を聞きたいと自然に思いました。
女性活躍は女性だけを対象にしていると思われがちですが、女性が働きやすい職場は男性にとっても働きやすい環境です。ローソンでは男性の積極的な育休取得を推進し、18年度以降、取得率は90%を超えています。取得した社員からはたくさんのポジティブな感想を聞きます。
他にも、部長級以上の社員の後任候補には必ず女性を入れるようにしています。女性だからという理由だけで選ばれることはありませんが、選ばれなかったとしても、そのラインにその女性がいることを皆が認知できるし、本人や上司も次のポストを意識した仕事や教育をするようになる。これは「30% Club Japan」の中で勉強したことで、良い方法だと採用しました。制度以外にも、会議中だけでなく社内の立ち話的にも色々な社員の意見を聞いてみたりもしています。小さな積み重ねですが、着実に変わってきていると感じています。
管理職に女性が就くことも増えました。ローソンには性別や年代を問わず、様々なお客様がいらっしゃいます。私たちも男女はもちろん、役職や国籍など関係なく、一緒に物事を考え、互いの価値観をぶつけ合うことが、新しい価値観、そして良い商品やサービスを生み出すことにもなる。そういえば「女性活躍」という言葉もあったね、という日を目指して、改革を進めます。
※AERA 2020年11月30日号