AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:ちょっとのことでもすぐに涙が出ます。嫌なことばかり目につきます。家以外でも授業中でも泣きます。訳もわからず涙が出てきて、でも泣き終わったらけろっと忘れて明るい気持ちになれるんです(笑)。そんな気分屋の自分は嫌いじゃないですけど、泣いてると先を考えられません。もう泣きたくないです。(女性/高校生/17歳/うお座)
A:あなたの素晴らしいところは「そんな気分屋の自分は嫌いじゃない」って言えるところ。この一言が言えるなら大丈夫です。
僕が占い師として人と向き合うときに一番大事にしているポイントは、今のその人が「健康かどうか」なんですね。ここで言う「健康じゃない」状態は、病気であることとは少し違います。自分の弱点に対して「まぁしょうがないか」という視点を持てているかどうかなんです。
例えば、今月も全然お金がないのに、また後輩におごっちゃった、という人がいるとします。「まぁでもいっか」って言える人は健康なんです。そういう健康な人は、おごっちゃうけどおごられたりもする、循環の中にいるから。
泣いちゃう自分が嫌いじゃないって言えるなら、中にはそれを苦手に思う人もいるかもしれないけど、でも泣いちゃうあなたが好きという人も絶対現れると思います。
人前で泣けることはすごく健康なことです。そのままで全く問題はないけど、でも泣くのが恥ずかしいと思ったらある程度までは泣かないようにする努力もしてもらってもいいかもしれません。ただ大事なのは、泣いちゃう自分も、泣くことを我慢している自分も好きという目線。その目線は持っていてほしいです。
突き放すわけじゃないんだけど、うお座に涙腺のコントロールは難しいような気がします。例えば友達の結婚式とかでも、ここじゃないタイミングで大泣きしてる人とかいるでしょ。扉が開く前に泣いちゃう人とか。ああいうの、うお座みを感じます。周囲のタイミングとズレがある人。でもクリエイターとかアーティストは、絶対そういう「自分のタイミング」を持っていると思うから、それは大事にしてもらいたいです。笑っちゃいけないところで大笑いする人って、絶対面白い人だから。一応、社会の中で生きていく上では失礼になりすぎないようにちょっとコントロールしなきゃいけないけど、そのズレはうお座の宝物です。