こうした体制にすれば、役所や政治家などからの横やりを撥ねつけられる。同機構の幹部は、当初5年とされた存続期間を短縮して4年で組織を解散して世間を驚かせたが、ダイエーなどの大型再生案件も手掛け、しかも、累計で大幅黒字の超優良決算だった。成功の理由は、ほぼ民間人ばかりの組織としたことだ。
デジタル庁の成功もお役所仕事の徹底した排除にかかっている。そのためには人材がカギだ。
忙しい役所になるのはわかっているが、だからと言って役所から「猫の手」を借りれば済むわけではない。
トップから局長級まで100%、その他の幹部及び管理職以上とそれ以下もそれぞれ95%以上を優秀な民間人で占めることができるかどうか。
そこに注目すれば菅総理の本気度がわかるだろう。
※週刊朝日 2020年12月18日号
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)など