今オフに戦力外通告を受けた選手や現役復帰を目指す選手らが参加するプロ野球12球団合同トライアウトが7日、神宮球場で行われ、投手33選手、野手24選手の計57名が参加した。
この日は、2006年以来の現役復帰を目指す新庄剛志(48)も参加。4度バッターボックスに立ち、3打数1安打1四球だった。新庄のプレーはどうだったのか。プロ野球復帰の可能性は。新庄の日本ハム時代のチームメイトで、「弟分」でもあった森本稀哲(ひちょり)さん(39)に聞いた。
――注目の1打席目は、平岡敬人投手(前広島、25)と対戦。1ボール1ストライクから始まる変則ルールの初球を打ち、セカンドゴロだった。
森本:この打席でさっそく驚かされました。あれはピッチャーが外角に投げ切った、ものすごくいい球だったんです。1ストライクから始まるルールでじっくり見ることができないなかで、あのボールをしっかりとらえた。結果として凡打になりましたが、少しでも甘く入ってきていたらヒットゾーンに飛んだ可能性がとても高い凡打でした。野球選手は、実戦のなかでピッチャーが投げる「生きたボール」を見ながら微調整していきます。それができていない、久しぶりの実戦の初球であのボールをとらえたことに、新庄さんの凄さを感じました。
――2打席目は四球、3打席目はセカンドゴロ。最後の4打席目はランナーを1、2塁に置いたチャンスでの登場だった。新庄は日隈ジュリアス投手(前ヤクルト、23)の126キロのチェンジアップを完璧に捉え、レフト前へ「タイムリー」を放つ。
森本:さすが、持ってますね。ヒットを打ったのは、1ボール2ストライクと追い込まれてピッチャーが三振を取りに来た球です。それが浮いてきました。確かに甘いコースだったけれど、落ちるボールで相当タイミングも外されたはずです。2打席凡退していて何としても打ちたい場面で、あれだけタイミングを外されると普通ショートゴロかサードゴロです。それに難なく対応した。さすが新庄剛志という一打でした。