オフの期間が短い上に、制約がかかるトレーニング。キャンプもここ数年は2月の初旬から実戦を組むチームが目立っていたが、そうはいかなくなる。選手個々のコンディショニングは異なる。全員でチームとしての一体感を出すべきキャンプだが、いくつかのグループ分けは必要だろう。
「休める、鍛える。強制、休養。この部分をうまく分けないと」と原監督が話したニュースも目にしたが、まさしく現場と球団が知恵を絞る時である。実績あるベテラン選手はそれこそ、開幕10日前にコンディションが整えばいいといった、思い切った策も必要だ。
3月に通常通り開幕できたとして、2月のキャンプで新型コロナウイルスの大量感染者が出れば、それはチームとして大きな時間のロスとなる。選手にとってはつらい日々となるが、制限がかかることも日常として受け入れていかねばなるまい。
ルールもどうなるかな。今年は日本シリーズを全試合DH制で戦った。セも導入すべきかどうかの話し合いにもなるだろう。誰もが経験したことのないオフになる。今ある現状を受け入れ、知恵を絞っていくしかない。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2020年12月18日号