オンライン海外旅行は、通常のツアーと同じように、開催日時とエリアやテーマ、価格を設定し、参加者を募集。1時間ほどのプランが中心だ。同社ではコロナ以降、全世界約100カ国でのオンライン海外旅行を実施してきた中で、オンラインには「本物の海外旅行の代替」ではない魅力があることに気づいたという。
「旅に出る前には、ガイドブックやインターネットで行き先の情報を調べて、『ここに行ってみたい』『これも食べたい』と、ワクワクしますよね。オンライン海外旅行は、こうした『旅マエ』の体験として、非常に有意義だとわかりました。ロコタビでは、ガイドブックやネットには載っていない、ロコならではのリアルで貴重な情報も入手できます」(岡さん)
これまで同社が提供してきた単発のオンライン海外旅行の平均価格は1千~2千円程度。大手旅行代理店のオンライン海外旅行も、2千~3千円台が中心だ。それを、月額1980円で毎日体験し放題、しかも登録初月無料とは、赤字にならないのだろうか?
「実は、この定額プランではそんなに稼ごうというつもりはないんです(笑)。1980円というのは、月に1回参加できれば元が取れますよ、という料金。これまでオンライン海外旅行をしたことがない人にとっては、まず初めての体験へのハードルを下げることが重要だと考え、思い切った価格設定にしました。これを機にロコタビを通じて多くのロコや魅力的な国に出会っていただければ、コロナ終息後に実際の旅行をする際、ロコタビを利用してもらえるのではないかと考えています」(同)
11月末現在、世界ホーダイの利用登録者は300人ほどで、毎回30~40人程度が参加しているという。ツアーの形式はロコによってさまざまで、ライブ中継で街中などを紹介することもあれば、事前に作成した資料や動画をもとにガイドしてくれる人もいる。参加者のマイクは原則としてミュート設定だが、チャット機能で質問やコメントができる。参加者を映すカメラはオフも可で、途中入室・退室も自由だ。「家事や食事の最中などに、ラジオを聞き流すような感覚で参加してもらってもOKです」と岡さん。定額だからこそ、気軽な使い方ができるらしい。