新型コロナウイルスの影響で、いつ自由に海外旅行ができるようになるのか先が見えない状況を受け、各旅行会社は「オンライン海外旅行」を販売している。海外とインターネット中継でつなぎ、現地のガイドが映す観光地などの映像を、PCやスマホで見ながら旅行気分を味わうというものだ。そんな中、「株式会社ロコタビ」が11月、オンライン海外旅行の定額プラン「世界ホーダイ」を開始した。ユーザーはどう活用したらいいのか。記者が体験した。
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これまで1~2年に1度ほどのペースで海外旅行をしてきた記者(37)。ステイホーム期間中に韓国ドラマにはまってしまい、韓国に行きたい気持ちはどんどん膨らんでいく。ああ、サクサクのチキンや、スンドゥブチゲを食べて、韓国焼酎を飲みたい……。いったいいつ行けるようになるんだろうか……。
そんなうつうつとした日々を過ごしていたとき、ネットで「月額1980円の海外旅行」という文字を発見。これは、「株式会社ロコタビ」が11月に始めた、1カ月1980円で毎日オンライン海外旅行し放題の定額プラン「世界ホーダイ」だ。まさか、オンライン海外旅行にまでサブスクリプションサービスがあるとは。オンライン海外旅行なるものの存在は知っていたが、そもそも本当にオンラインで海外旅行気分が味わえるのだろうか?
「オンライン海外旅行が本物の海外旅行の代替になるとは、私たちも考えていません」
そうきっぱり話すのは、ロコタビ広報の岡慧隼(けいじゅん)さんだ。
ロコタビは、海外在住日本人(同社では「ロコ」と呼ぶ)と、日本からの旅行者をつなぐプラットフォーム事業を運営している日本の会社。提供するサービスや価格はロコや内容によってさまざまだが、たとえば、ツアーやレストランの予約、現地でのアテンド(通訳)などのサポートのほか、依頼者の要望に沿った観光プランの作成や、自分の家で手作りの現地料理をふるまうなどのサービスを提供するロコもいる。世界176カ国・地域に5万人以上のロコがおり、利用登録者はロコを含めて約20万人に上るが、コロナで海外旅行客が激減したことによって、ロコタビの利用者も減少。そこでロコと日本人とをZoomで中継して現地情報を紹介する、単発のオンライン海外旅行を展開した。