「社長と晩ごはん」を運営するのは、「学生の夢と希望を応援する会社」というキャッチコピーを掲げるTUM。国内外の学生向け大型イベント「キャンパスコレクション」なども手がける。

 さっそく同社に連絡をとり、「社長と晩ごはん」を担当する総括スタッフと接触することができた。

 彼は、まさにベンチャー企業のスタッフらしい、積極的で“意識高い系”の若者だった。聞けばなんとインターン中の現役の学生だという。アプリの運営は、キャンパスコレクションの学生スタッフから厳選されたインターン生たちが中心となっていたのだ。

 彼の説明を聞くと、「社長と晩ごはん」はけっして不純な動機ではないような気もしてきた。意識の高い学生が、同様に意識の高い就活生らに対し、そのニーズに応えようとしているだけなのかもしれない。ベンチャー企業などの経営者のなかには、個人が持つ能力以上にカルチャーフィット(企業文化への適合)が必要だとして、食事などのコミュニケーションを重視する傾向があるのもたしかだ。

 ただやはり、「社長と晩ごはん」は男性社長と女子大生が1対1で会うことが連想されやすい。「マッチング」という言葉を前面に出したためか、「出会い系」「パパ活」のイメージに結びつく。これらが結果的に、SNS炎上につながってしまったようだ。

 学生と経営者が直接会える機会を提供する――。就活においてこれ自体はむしろ、歓迎すべきことだろう。しかし、いろんなマイナス影響にも配慮し、世間の理解を得られにくい面があったのは、若者ゆえの“暴走”と言わざるを得ない。(青島ほなみ)

※週刊朝日オンライン限定記事

暮らしとモノ班 for promotion
新型スマホ「Google Pixel 9」はiPhoneからの乗り換えもあり?実機を使って検証