まさに長寿国ニッポンだ。いまや世界最高齢の2トップが日本の男女となっている。100歳を過ぎても元気でいるために――。長年の研究によって、「元気で長生きの秘訣」が明らかになってきた。性格の面からは、こんな共通点があるという。
「自分の人生を驚くほど肯定的にとらえる方が多い」
そう語る慶応大学医学部老年内科の広瀬信義・専任講師が、すでに亡くなられた110歳の男性に生前、「死にたくなるようなことはありますか」と聞いたところ、「ない。死んだら何もできない」と言われたそうだ。「人生に前向きな方が多いですね」(広瀬氏)
女性には、自分でこうと決めたことは最後までやり通す几帳面(きちょうめん)さがあるという。関連して、「誠実性」を挙げるのが大阪大学人間科学研究科の権藤恭之准教授だ。
「誠実性が高い人が長生きするという研究結果は洋の東西を問わず出ています。病気になっても医者の言うことをきちんと守り、薬を飲み続けることが病態をコントロールすることにつながっているのではないかと考えています」(権藤氏)
男女を問わずキーワードとなるのが「開放性」だ。わかりやすく言うと、好奇心となるだろうか。家でただじっとしているのではなく、外に出る。旅行に出かける。習い事をする……。いろんなことに興味を持つ好奇心が、生活の活動量を上げ、長寿につながっているのではと言われる。それと少し似ているが、社交的で人との交流が多いという傾向もありそうだ。海外の大規模な調査では、「人との交流が多い人ほど認知症になりにくい」との結果が出ているという。
※週刊朝日 2013年3月15日号