登場人物の名前も、主人公のパク・セロイは宮部新、といった具合に、日本人読者が感情移入しやすいように日本名があてられている。また、登場人物の心の声が吹き出しに現れる漫画ならではの演出も多用。実写ドラマでは描き切れなかった細部まで楽しめることから、ドラマをきっかけに作品のファンになった層にも読み応えがある。

 ちなみに、『梨泰院クラス』では、恋愛に奥手なイガグリ頭の主人公セロイを演じた俳優パク・ソジュンは、2018年のドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』では、180度キャラが違う超ナルシシストの副会長役を熱演していた。この作品の原作であるウェブトゥーン『もう秘書はやめます』を読んでいたファンからは、漫画に登場するキャラクターと“シンクロ率200%″と絶賛されていた。

 12月25日に発表された「LINEマンガ」の「2020年間ランキング」では、社会現象にもなっている大ヒット作『鬼滅の刃』が1位だったが、続く2位と3位は「LINEマンガ」オリジナルのウェブトゥーン作品で韓国発の『女神降臨』と『外見至上主義』がランクインした。

『女神降臨』は、メイクをしている姿は女神のように美しく周囲からもてはやされるものの、家に帰ってメイクを落とすとさえない素の姿に様変わりする女性を描いた痛快コメディ。もちろんロマンス要素もたっぷりで、ヒロインの相手にはK-POPアイドルのようなイケメンが登場する。韓国で12月より放送が開始された実写ドラマでは、そのイケメン役をアイドルグループASTROのチャ・ウヌが演じている。原作を読みながら日本上陸を待ちたいところだ。

『外見至上主義』は、いじめを受けて転校を決意し、一人暮らしを始めた主人公がある日、目が覚めるとイケメンになり、元の姿とイケメンの姿とを行き来するファンタジー。人間の欲望や卑しさを大胆に描いた作品だ。

 12月18日よりNetflixのオリジナルシリーズとして配信され、ランキングでも総合トップ10入りしている『Sweet Home -俺と世界の絶望-』(ソン・ガン主演)は、「LINEマンガ」の人気作『Sweet Home』が原作だ。ひきこもりの高校生が事故で家族を失い、古いアパートに移り住んだ日から、奇妙なバケモノが次々と出現するホラーミステリー。実写化を手がけたのは、『愛の不時着』を制作した「スタジオドラゴン」と『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』のイ・ウンボク監督で、躍動感あるリアルな描写が目を引くドラマである。

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あの人気実写映画もウェブトゥーン化