■むくみがとれスッキリ

 体を「ちょうど良い」ようにもっていく漢方薬を飲むことで「不調が改善→体重も落ちた」というケースが珍しくない。

「月経前に疲労感やイライラ、情緒不安定などの不快感が表れ、むくみがひどい」という20代の女性。婦人科クリニックは「月経前症候群(PMS)」と診断。PMSの原因は女性ホルモンの変動と関係があると考えられているが、はっきりしたことは分かっていない。

 婦人科クリニックで「薬で排卵を抑える治療法」「薬による痛みやむくみなど症状に対する治療法」「漢方薬治療」を提案され、漢方薬治療を選んだ。処方された「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」を飲み始めると、翌月には月経前の不快症状が緩和された。嬉しかったのは、むくみがとれ、周囲から「痩せたね」と頻繁に言われるようになったこと。自分でも、顔やおなかがスッキリしたように感じている。

「桃核承気湯は、肥満のタイプで言えばお血タイプに合う漢方薬です。このタイプは、『気・血・水』の『気』が体の中で少なかったり滞っていたりするため『血』の循環が衰え、体内に停滞します。PMSや生理痛、更年期障害、顔のくすみ、しみやあざができやすいなどがみられます」(三浦さん)

「脾胃」は、東洋医学では消化吸収を担う機能を説明するときに使われる。脾胃が虚弱になると、人が生きるためのエネルギーである「気」「血」がうまく作られず、生命力が低下する。風邪をひきやすく、すぐ下痢を起こす。食事をしてもエネルギーとして使いきれないので、あまり食べていないのに太っている人もいる。

 30代半ばの女性は、典型的な脾胃虚弱タイプ。顔色が青白く、胃腸が弱い。食が細い割に、ややぽっちゃり。消化機能を高めたいと、脾胃の働きを高める「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」を半年前から飲んでいる。1~2週間ほどで胃もたれなどを起こさなくなった。「今日も元気」と実感するようになり、活動量が増え、体重も1.5キロ減少。以前は仕事が終わると疲れて何もする気が起こらなかったが、それがなくなりスポーツジムに入会。体重は大きく変わらないものの、体脂肪率が27%から23%になった。20%を目標に、ジム通いを続けている。

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